表具師・小渕博由の家系図ブログ

和紙をご紹介

2012年6月28日|カテゴリー:表装

今日ご紹介しますのは表具には欠かせない和紙です。
岐阜県の美濃地方で漉かれています。原料は那須楮です。
美濃和紙には土佐楮と那須楮が用いられます。
行程は剥皮(はくひ):木の皮を剥いて白皮にします→さらし:剥いた原料を水に浸し水溶性の不純物を
取り除きます。→煮熟(しゃじゅく)楮の繊維を取り出すため炭酸ソーダを用い大釜で煮ます。
→ちりとり:煮熟後綺麗になりました楮ですが、細かいチリ、黒皮を流水の中、丹念に手作業で取除きます。
→叩解(こうかい): 綺麗になった楮を紙打石(かみうちいし)の上に広げ叩き槌(たたきづち)で叩き
ほぐします。→紙漉:ここまで作業をした原料(楮)とねべし(トロロアオイの根から抽出液)を漉船(
すきふね)の水とよく混ぜて簀桁(すけた)という道具で漉きます。→圧搾(あっさく):漉いた紙に圧力
をかけ水分を搾り出します。→乾燥:一枚ずつはがした紙を板に貼りつけ天日で乾かします。

大変な作業を経て私ども表具師に届きます。
「私も 良い仕事をするため良い材料を使いまた、材料を生かせる技術を持たなくてはいけないと
改めて感じる材料の一つです。」

本美濃紙

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