表具師・小渕博由の家系図ブログ

数百年保存させる家系図作りとは

2013年1月17日|カテゴリー:日々のこと , 表装

昨年の夏に、古い家系図の複製依頼のご相談を頂きました。
お客様のご要望は「解読」 「数百年保つ家系図の作成」という事でした。
4ヶ月掛かり家系図レイアウトが仕上がり筆耕作業1ヶ月程で上がって
巻物製作に昨日入りました。
筆耕後

和生堂が長年研究して導き出した答えは「自然素材」科学薬品に頼らず制作を
するという事でした。
この事は和生堂の理念でも有ります。
家系図本紙には日本の楮で漉かれた画仙紙を使用しており、肌裏紙には原料が
那須楮で漉かれた美濃和紙を使用しています。
こちらの美濃和紙は重要無形文化財に指定されており
約2尺×3尺の大きさで1枚700円程します。
(その他に増裏紙には本美栖和紙、総裏紙には雁皮紙を使用しております。)
美濃和紙
和紙の他にも保存年数が大きく影響する 使用材は水です。和生堂は2種類の水を使用しております。
精製水・イオン交換水
仕上がった姿形からは見えない使用材について ご紹介をして行こうと思います。

数百年保存させる家系図作りとは

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