表具師・小渕博由の家系図ブログ

紙蝶番の和紙

2013年5月19日|カテゴリー:表装

屏風の紙蝶番の歴史は鎌倉時代に案出されました。
特徴と致しましては360度開閉して一扇二扇の接し面に隙間が無く
風を通さない作りに 成っております。

用いている和紙は埼玉県小川町で漉かれている細川紙です。
貴族・武家が使う高級奉書紙として使われておりました。
1978年に製作技術は重要無形文化財に指定されました。

細川紙は楮が原料で漉かれております。
和生堂では仮張りや蝶番に使用させて頂いており絶対に欠かせない
和紙の一つです。

紙蝶番

表具師が製作します掛け物・巻子本・屏風・和額の寿命は
選ぶ和紙で全く異なります。(※糊も重要)
手透き和紙とはいえ数年で酸化し斑点が出る事も正直ございます。
良い和紙とは?を求め様々な和紙を購入して 自分で見極める事が
大切だと私は考えます。

和生堂を開業した当初はひと月の売上げも安定しないなか
良いと言われる様々な和紙を購入しておりました。

今思えば売上げを超える材料費を支払い家内には苦労を掛けたと思いますが
その時の経験は貴重な経験で「本当に良い物」を知る事は、自分の見識も上がり
技術も向上する 近道だと確信してます。

紙蝶番の和紙

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