表具師・小渕博由の家系図ブログ

ご先祖様からの贈物

2013年4月7日|カテゴリー:修復

「古い家系図を修復」
和生堂では家系図に関して様々な案件 のご相談を頂きます。
戸籍や古い系図の解読・家系図の複製・ 追記筆耕・家系図の作り方、書き方などなど
その中でも古い家系図の修復は表具師に取りまして本 領を発揮するお仕事と考えております。
ご先祖様から代々受継がれて来た大切な家系図を後世に残す大変重要な案件です。
家系図が筆耕されていた本紙は8割雁皮・2割楮の長期保存が可能な和紙でした。
糊は正麩糊が使われており下画像のように除去が可能でした。
比較的状態は良い家系図でしたが折れが数カ所、欠損部が2カ所ありました。
折れの原因は肌裏打ち紙(1回目の裏打ち和紙)の厚みが厚く裏打ち紙の継ぎ目が折れておりました。
旧裏打ち紙除去作業
数百年以上受継げる家系図巻物とは
100年周期の仕立て直し(または修復)が可能かが大きく影響してきます。
仕様も本紙(家系図本体)・墨(筆耕)・裏打ち紙(表具材料)
糊(裏打ちや付廻し作業に使用)水(希釈・打ち水)が保存可能な材料で
製作することが重要と成ります。(源氏物語絵巻は1000年近く経過)
※科学糊や機械裏打ちで仕立てられた巻物・掛け物は残念ながら仕立て直しは
難しいかと考えます。

 

 

ご先祖様からの贈物

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